茶家では一般的に正月に当たる月です。
これは今年の5月に摘んだお茶を茶壺に保存しひと夏を越し、
この月からお茶を飲み始めるからです。
ですのでそのため客に茶を持て成すために、障子の張り替え、畳を替えたり、
垣根を青竹にする、炉壇を塗りなおすなどします。
青畳の香り、炉壇の綺麗さ、障子の新しさといい、茶家の新年の趣を感じられます。
そこで茶壺の口を切り今年の新茶が振舞われる茶事、これを「口切茶事」といいます。
一般的には知られていないですが、茶家には本当に大事な季節といえるでしょう。
「今年の新茶は如何なお味かな。」と昔の人はわくわくしておられたのだと思いますが、
最近は便利になりいつでも新茶が飲めるようになりました。
いつでも飲めるというのも良いようで有難味のない話ですね。
しかしそのわくわくした古人の心を忘れなように茶に向き合いたいと思っております。
さて季節も良くなってきまして風炉から炉に変わります。
年新、心もリフレッシュし、しっかり1年茶道と向き合っていきましょう。
まずほっと一息。抹茶一服如何ですか?
お軸は
4代目宗汲宗匠のお軸です。
「茶茗宜久服有令人志悦之功」
茶茗宜しく久しく服す宜し。人の志を悦ば令むる之功有らん。
意味は、
お茶(新茶~遅茶)は長い事飲む事がよい。
人の志(信念)にいい結果をもたらすだろう。